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FLOWERS 2016(クリスマス企画クロスオーバーSS)

2016flowers


一年間の感謝を込めて、 基本的に受けしか登場しない
コメディタッチのクロスオーバーSSを御用意しました。


未読の作品があっても、お読みいただける内容です。

文庫本14ページ相当のボリュームがありますので、

お時間のある時に御覧ください。


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主演

『薔薇の宿命』 香具山 紲(セツ)


ゲスト(年齢順)

『甘美な毒に繋がれて』 住之江 遥(ハルカ)

『ブライト・プリズン』 薔(ショウ)

『暴君竜を飼いならせ』 沢木 潤(ジュン) 


以上4作品の受けが集まって、一緒にクリスマス・ケーキを作る企画物です。

※本編とは関係のないパラレルです。時系列が合っていません。

※全作品の版元の許可を得て公開しています。

※読みにくい名前は、すべてカタカナ表記にしてあります。


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 クリスマス前日の午後──俺は横浜の屋敷を出て、都内某所に向かった。

 お城のように豪華なセレブ向けのカルチャースクール『徳澤倶楽部』を丸ごと貸し切り、二階にある料理教室の一つを使わせてもらうことになっている。

 まずは調理器具の保管場所やオーブンの使い方をチェックして、食材に不足がないかどうかを確認した。

 すべて問題なく、ほっとしたところで生徒さん達が到着する。

 花のような美少年が二人と、美青年が一人……人間離れどころか人間じゃない美形を見慣れている俺でも、思わず目を奪われるくらいキラキラした三人組だ。

 

「皆さんこんにちは、お待ちしていました。本日講師役を務めさせていただく、香具山セツです。料理は好きだけど趣味レベルなので、至らない点も多いかと思います。もしわかりにくいところがあったら遠慮なく訊いてください」

 

 俺が挨拶をすると、全員がぺこりと頭を下げる。

 

「初めまして、住之江ハルカです。本日はよろしくお願いします」

 

 最初に自己紹介をしてくれたのは、眼鏡が似合う癒し系美人のハルカさん、二十五歳。

 事前に配られたプロフィールによると、職業は料理教室の先生で、この徳澤倶楽部で働いている。

 お付き合いしている相手は、なんと中学生。まだ十五歳だというからびっくりだ。

 彼氏の徳澤琉貴(ルキ)くんは、中学生とはいっても将来性抜群のハイスペック美少年で、医者の卵らしい。

 琉貴くんの猛烈アタックを最初は拒んでいたものの、ストーカーまがいの愛し方をされるうちに、その一途な想いに絆されてしまったあたり……俺にはハルカさんの気持ちがよーくわかる。

 

「ここでお仕事されているプロ講師のハルカさんがいるのに、何故か俺が教えることになって……すみません。なんだか居たたまれない気持ちなんですけど」

「いえいえ、僕は駆けだし講師ですし、セツさんとは経験値が違いますから」

「経験値といっても、ただ長生きってだけなんですけどね」

「そういえば、セツさんだけプロフィールの年齢が空欄になってましたけど、おいくつなんですか? 不老の体をお持ちで、『兼業主夫歴ウン十年』とだけは伺ってるんですが……どう見ても僕と同じくらいか、むしろ若いくらいに見えるから不思議で……」

「うーん、以前は数えてたんだけど……偽物の戸籍をいくつも駆使しているうちにわからなくなってきて、最近はもう数えるのをやめました。とりあえず大正生まれで、三桁いってます」

 

 訊かれたことに正直に答えると、ハルカさんと、その横に控えていた美少年二人がカッと目を剥く。

 よく考えたら、全員平成生まれだ……これでもファミリーの中じゃ若いほうなのに、ひいおじいちゃんくらいの感覚で見られるのがちょっとつらい。

 いや、さらにもう一代くらい上かも……。

 

「あ、俺も自己紹介させてください。竜泉学院、高等部三年の沢木潤です。今日は俺の都合でチーズケーキにしてもらってすみませんでした。乳製品は大丈夫なんですけど、卵が駄目なラクト・ベジタリアンで……ほんとワガママいってすみません」

 

 そういって、俺だけじゃなく他の二人に向かっても頭を下げたのは、黒に近い紫色の制服姿の潤くん。

 クォーターらしいけど、ゲルマン系の血が強く出ているみたいで、飴色の髪と瞳が凄く綺麗だ。

 見た目だけじゃなく、内側から溢れるような明るいオーラが眩しい。

 

「複雑な事情があるんだし、仕方ないよ。ベジタリアンにも偏食の人にも慣れてるから気にしないで」

「僕もスポンジケーキよりチーズケーキのほうが好きだから、むしろありがたいよ」

 

 俺とハルカさんがそういうと、潤くんは嬉しそうに顔を綻ばせた。

 表情豊かな子で、お人形さんみたいに完璧な顔立ちなのに親しみやすく、誰からも好かれそうなタイプだ。

 ちなみに潤くんの彼氏──竜嵜可畏(カイ)くんは、超がつくほど絶倫のセレブ生徒会長だそうで……浅黒い肌で筋肉ムキムキ、雄っぽくてカッコイイうえに、黒色のティラノサウルス・レックスに変容するらしい。

 豹や虎の獣人に慣れている俺でも、かなりびっくりだ。

 

「俺は、甘い物ならなんでもありがたいから……」

 

 三人の生徒さんの中で、最も場馴れしていない感じの二人目の美少年──ショウくんがようやく口を開く。

 彼の学校は全寮制のうえに外出不可の牢獄のようなところで、通常は外部の人間との接触がなく、ついでに甘味の摂取量が厳しく制限されているため、甘い物に飢えているらしい。

 せっかくの機会なので、今日はホワイトチョコレートをたくさん用意しておいた。

 

「王鱗学園から来ました、高等部三年のショウです。本日はよろしくお願いします」

 

 白い制服姿で礼儀正しく一礼したショウくんは、凛と咲き誇る薔薇のように綺麗な子で……それでいて可愛いらしくもあるのに、なんというか……どことなくインモラルな陰を感じさせるところがあった。

 淫魔の俺の目から見て、同調する空気があるというか……何か妖しげなものが憑いている感じがするというか……端的にいうと、異様に色っぽい子だ。

 

「あの、すみません……一つ気になることがあるんですけど。今日のケーキは宗教的な意味合いのあるケーキだと聞いています。俺は……いわゆる異教徒で、望むと望まざるとに関わらず別の神に祈らなきゃいけない立場なんですが、この場に交ざっていいんでしょうか?」

 

 どうやら、ショウくんは凄く真面目な性格らしい。

 宗教団体が運営する学園に閉じ込められていても、とても真っ直ぐ育った子のようだ。

 この真面目さのせいか、一回り年上の恋人によくからかわれるみたいだけど……可愛くてつい弄ってしまう彼氏さんの気持ちもわかる気がした。

 ちなみにショウくんのお相手──常盤(トキワ)さんは、これまたハイスペックかつ盛りだくさんな人で、宗教団体の教祖候補であり極道の跡取り息子でもあり、音楽的才能にも秀でた武道の達人で、軍服みたいな恰好で黒馬を駆る、魔性のセクシー美男だとか……。

 

「大丈夫。教える俺もクリスチャンじゃないし、それ以前に悪魔だから」

「悪魔……」

「俺もクリスチャンじゃないから大丈夫。よくわからないけど実家に仏壇あるし」

「僕もよくわからないけど、クリスマスはイベントとして楽しんでいいと思うよ」

 

 全員がエプロンをつけながら、本来タブーとされる宗教話を口にするという妙な展開になりつつも……予定通りクリスマスケーキを作ることになる。

 目的はキリストの生誕を祝福することでもなんでもなく、「恋人に手作りケーキを御馳走して素敵な一夜を過ごすこと」なので、実に俗っぽい男子会だ。

 一つの調理台を四人で囲みながら、それぞれが小さなブッシュ・ド・ノエルを作る。

 もちろん持ち帰り前提だけど、俺が作ったケーキは見本として、最後にこの場で食べることになっていた。

 

「土台には、事前に焼いておいた卵不使用のクッキーを使います。まずはベイクドチーズケーキを長方形に焼いて、それを覆うようにクリーミーなレアチーズで囲って、白いブッシュ・ド・ノエルにします。飾りは三種のベリーとソース。薄いホワイトチョコレートも用意したので、お好みで立てるとかして使ってください」

 

 一通り説明してから早速作り始めるものの、まあ……なんというか、一応教える側としては張り合いがないくらいスムーズだ。

 それもそのはずで、ハルカさんは料理教室の先生だから当然何もいうことがないし、潤くんは特殊な食事情があるから子供の頃から自炊慣れしているし、ショウくんの学校は連休ゼロの詰め込みカリキュラム校なので、調理実習の回数が半端じゃなく多い。

 そんなわけで全員が全員、素晴らしく手慣れている。

 

「世間話できるくらい余裕ある感じに見えるけど、若い人同士で恋話とかしないのかな?」

 

 ベイクドチーズケーキをオーブンに入れ、レアチーズの準備をしている最中──あまりにも黙々と作っているので話を振ると、ハルカさんが顔を上げた。

 社会人だけに場の空気を当たり前に読んでいる目で俺を見ながら、にっこりと微笑みかけてくる。

 

「セツさんの彼氏さん……というか旦那様は、料理とかされる方なんですか?」

「え……いや、ルイは人間としても悪魔としても貴族だし……古い時代の人だから。ハルカさんの彼氏は料理が苦手で、ここの教室に通ったのがきっかけで出会ったって書いてあったけど、今はもう上達した?」

「はい、琉貴くんは器用でセンスもいい子ですから……将来が楽しみです」

 

 ぽうっと頬を赤らめながら答えたハルカさんは、透き通るように美しく見えた。

 俺と一緒にハルカさんの顔を見ていた潤くんとショウくんも、二人並んで微笑ましい顔をしている。

 ボールを押さえながら同じペースでヘラを動かし、クリームチーズを滑らかに混ぜ合わせていた。

 

「ショウくんのところの常盤さんは育児経験があるし、きっと料理も上手なんだろうね」

「……いえ、それがよくわからないんです。訊いたことはあるんですけど、『得意料理は離乳食だ』といわれました」

「り、離乳食?」

「いつか一緒に暮らしたら、ドロドロした物ばかり出てくるのかと思うと……少し心配です」

 

 真顔で答えるショウくんの隣で、潤くんがププッと噴きだす。

 

「それ冗談だから、真に受けちゃ駄目だって」

「……え、冗談なのか?」

「そうだと思うよ。ショウくんの彼氏は大人でカッコよくて、冗談いう余裕もあって、まさにパーフェクトって感じだよな。うちなんか同い年だから何かと喧嘩が絶えないし、最初の頃は文句いうのも命懸けで」

「命懸け……それは大変だな」

「人間の皮を被った恐竜だったからな、命がいくつあっても足りなくて。あ、でも今は優しいし、完成されてない分、伸びしろがあるっていうか……同じスピードで一緒に成長してるって感じが凄くいいんだけどな」

 

 相手を立てつつさりげなく自慢する潤くんの横で、ショウくんがムッと眉を寄せる。

 

「常盤だって俺と一緒に成長してる。大人も色々あるから、完璧なんかじゃないし、悩みは尽きないみたいだ。それに、大人だからって伸びしろがないわけじゃない」

「あ、そっか、そうだよな、年齢や見た目で決めつけちゃ駄目だった。ごめん、怒らないで」

「べつに怒ってるわけじゃない」

 

 一瞬ちょっと怒ったよね……と突っ込みたくなったけど、とりあえず空気は悪くならなかったので安心した。

 

「ところで随分と手際がいいな、プロみたいだ」

 

 ムッとしてしまった自覚があったのか、ショウくんが潤くんに対してフォローを入れる。

 ショウくんは世間知らずで何かと地雷が多そうな子だけれど、根はいい子なのは目を見ればわかった。

 どこか陰のある色っぽさとは裏腹に、無垢な子供みたいに純粋な目をしている。

 

「プロの前でそんなこといわれると照れるけど、ちょっと嬉しいかも。俺は諸事情あって食べられないものが多いから、子供の頃から自炊してたのは確か。表向きはアレルギーってことにしてあるんだけどな」

「──大変だったんだな」

「うん、でも料理は好きだから平気。可畏はティラノだから当然肉食なんだけど、俺が作った料理は美味しいって食べてくれるんだ」

「彼氏が恐竜って……凄いな。うちの教団の龍神も大きいけど、潤……くんの彼氏も、相当大きいんだろうな」

「うん、メチャクチャ大きいし、俺様だけど俺にはメロメロだし、もう最高」

「……いいきった」

「いいきりますとも。このメンツなら遠慮いらないだろ?」

 

 フッと笑った潤くんの自信に、ショウくんだけではなく俺もハルカさんも圧倒される。

 俺だって、ルイに愛されている自信がないといえば嘘になるけれど、こんなふうに堂々と口にすることはできないから、潤くんの性格がちょっと羨ましい気がした。

 

「そういう自信は、どこから出てくるんだ? 好きとか、愛……してるとか……しょっちゅう、いわれるのか?」

「それはない、全然ない。そういうキャラじゃないし」

「じゃあ……料理上手だと自信が持てるものなのか?」

「うん、まあ……胃袋を掴むのは大事かも。俺は料理じゃなく別のもので可畏の胃袋を掴んでるんだけど……それは置いておいて、料理も頑張ってる。ショウくんの得意料理は?」

「俺は……調理実習で決められた通りに作るだけだから、得意とかそういうのはない」

「そっか、でも手際いいし、自己流の俺より基礎をしっかり習ってるんだから、自由の身になればなんでも作れちゃいそう。ショウくんなら、常盤さんの『得意料理は離乳食』がマジだった場合でも対応できると思うぜ」

「──ありがとう……頑張る」

 

 照れ気味に答えるショウくんを見ていると、なんだかこちらまでキュンとしてくる。

 潤くんもハルカさんもだけど、俺とは違って恋に落ちたばかりの初々しい若者だ。

 これからも愛は続くとしても、今という鮮度の高いピチピチした時間は貴重だと思う。

 愚かな選択で何十年も無駄にした身としては……大事にしてほしいなと、しみじみ思った。



 

 まったく問題なく白いブッシュ・ド・ノエルが出来上がったので、クリスマス仕様のシックな箱に入れて持ち帰りの準備をした。

 俺が作ったケーキを四等分して食べながら、口々に感想をいい合う。

 皆さん舌が肥えてそうだけど、美味しいといってもらえて俺は嬉しかった。

 

「あの……未成年なんでお酒の味とかよくわからないんですけど、セツさんのケーキ……もしかして結構、強いアルコールとか入ってますか?」

「──俺も……同じこと思ってた。なんか体が……やけに熱いような……」

 

 潤くんとショウくんが突然口元を押さえながらいいだして、さらにハルカさんまで「美味しいんですけど、なんだか体が火照って……でも、お酒の味はしないし……」と、妙に艶っぽい口調で呟く。

 白い肌を持つ三人の顔が明らかに……元が白いだけに非常にわかりやすく紅潮しているのを目にして、俺は大変なことに気づいた。

 

「ごめん……すぐ、今すぐお開きにしよう! それぞれ恋人のところに戻ってくれ!」

 

 プロの調香師でありながら、自分の匂いに気づくのが遅れて恥ずかしい。

 チーズケーキの爽やかな香りに混ざるこの匂いは──まぎれもなく蜜林檎の香り。

 淫魔が放つ、危険な淫毒だ。

 

「はい、立って立って! どの彼氏さんも下で待ってるんだよね!?」

「は、はい……琉貴くんはロビーで待っているはずです」

「よかった。ケーキ持って帰って、一刻も早く二人きりになって!」

「常盤も待ってるけど……ちゃんと片づけしないと」

「俺も。なんか酔ってる感あるけど、洗い物くらいできますから」

「そんなのいいから、早くここを出て二人きりになってくれ! あ、ちなみにケーキ自体には問題ないから大丈夫。とにかく早く俺から離れて!」

 

 なんだか凄く慌ただしくなってしまったけれど、俺の淫毒を人間に吸わせると大変なことになってしまうので……なるべく吸わせないうちに帰ってもらうしかなかった。

 三人とも律儀というか、食べかけだったケーキを最後までしっかり口に放り込んで呑み込み、「今日はありがとうございました!」といい残して教室をあとにする。

 

「よ、よかった……あれだけ反応してたらあとが大変そうだけど、恋人の前でどうなろうと……まあ、それは問題ないよな……うん」

 

 焦りながらも一応無事に終わったことに胸を撫で下ろすと、不意にノックの音が響く。

 ドアが開くのを待つまでもなく、ルイの気配を感じた。

 

「セツ、お前の可愛い生徒が揃いも揃って真っ赤な顔をしながら走り去ったが、ケーキ作りはもう終わったのか?」

 

 微笑みつつ入ってきたルイは、俺の顔を見るなり……というより、俺の匂いを嗅ぐなりびっくりした様子で目を瞬かせた。

 

「セツ……ッ、こんな所で淫毒を漏らして、いったいどうしたというのだ?」

「ごめん、久しぶりに失敗した。なんか、若い人達の青春真っ盛りな恋心に中(あ)てられたというか……いいなぁって思ってたら勝手に漏れだしたみたいだ」

「それは聞き捨てならないな」

 

 ルイは先程のショウくんのようにムッと眉を寄せながら、椅子に座り込む俺の傍までやって来る。

 ルイの体からは吸血鬼特有の高雅な薔薇の香りがして、嗅いでいると余計に淫毒が漏れてしまった。

 

「まさか、見飽きた夫との生活に退屈し始めた主婦のように、若い男と新鮮で刺激的な恋がしてみたいなどと……不届きな願望を抱いてはいないだろうな」

「そんなこと考えてないけど、寿命が長い分……いつも新鮮で刺激的でいられるよう、工夫しなきゃなとは思った。もちろん、ルイと一緒に……」

「セツ……ッ」

それにしても人間の前で淫毒を垂れ流すなんて、情けないにも程がある。特にハルカさんが心配なんだ。お相手は十五歳だし、まだ清い関係みたいだから……」

「それは気の毒だが、盛り上がって悪いことはないだろう」

「キスくらいしてるかな?」

「私もお前とキスがしたい」

 

 俺の淫毒は、貴族悪魔のルイには効かないはずなのに、ルイの白い頬も火照っていく。

 アップで迫られると……見飽きることなんてない芳しい美貌にうっとりした。

 どんなに素敵な彼氏さんの話を聞いたって、俺にとってはルイが絶対一番だ。

 

「ルイ……」

「セツ、愛している」

 

 我が家は平常通りで問題ないけれど、淫魔の毒を吸ってしまった三人は、いったいどんな聖夜を過ごすだろう。

 せっかく作ったブッシュ・ド・ノエルを、冷蔵庫に入れる暇もない気がする……。

 



 

 何はともあれメリークリスマス。

 腰を大切に、素敵なイブを過ごせますように──。



 Merry Christmas!

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おまけ。


徳澤倶楽部のロビーで待っていた攻め四人(ルイ、常盤、可畏、琉貴)は何をしていたのかというと……恋人自慢をすると角が立つとわかる程度には頭が切れる人達なので、恋人のことは一言も語りませんでした。

最初は中学生の琉貴を取り囲んで、若いだの将来が楽しみだのと持ち上げて無難に過ごし、そのうちルイと常盤の大人組がワインの話で意気投合。

残された可畏と琉貴は……。


「恐竜は好きか?」

「うん」

「何が一番好きだ?」

「やっぱりスピノサウルスかな。翼竜も好きだけど」

「──少しは空気を読め」

「すみません」



なんて会話をしつつ、意外と平和な攻め組でした。

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